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戦わなくてもいい状況を作る

8月28日
読了時間: 5分

今日は千葉でスクールを行いました。


トレーニングテーマは【運ぶドリブル】です。


今日の目的は

相手とフィジカルコンタクトをしながら強引に前進するのではなく

空いているスペースを見つけ

時には自分でスペースを作り出しながら

相手にボールを奪われない状態で前進していくことでした。


ドリブルというと

どうしても「相手を抜く技術」に目が向きがちですが

サッカーでは必ずしも相手を抜く必要はありません。


密集した局面であっても

ポジショニングと判断が良ければ

相手に触れられることなくボールを前へ運ぶことができます。


そして、相手に触れられなければ

体格差はほとんど意味を持たなくなります。


身体が大きい

足が速い

フィジカルが強い。

もちろん、それらはサッカーにおいて大きな武器です。


ただ、それ以上に大切なのが

「相手と戦わなくてもいい状況を自分で作れるか」ということです。


今日、選手たちに繰り返し伝えたのは

ボールを持ってから何をするかではなく

「ボールを受ける前に、いかに自分にとって有利な状況を作っておけるか」ということでした。


そのために徹底したのが2つ。


1つ目は、ボールホルダー・相手・自分が向かう先(ゴール)を、できるだけ同じ視野の中に入れられるポジションを取ること。


2つ目は、できるだけ相手の視野から外れた場所をスタートポジションにすることです。


良い位置でボールを受けることができれば

ファーストタッチの時点ですでに相手より優位に立つことができます。


逆に、準備ができていない状態でボールを受けてしまうと

どれだけ技術があっても

相手に寄せられてからプレーを選択することになります。


「ボールを持ってから考える」のでは遅い。

受ける前に相手を見て

スペースを見て

次に何が起こるのかを予測しておく。


その準備があるからこそ

ボールを持った瞬間のプレーに余裕が生まれます。


トレーニング序盤は

ボールに意識が集中してしまい

相手を見ることができず

間違った方向へ運んで潰されてしまう場面が多くありました。


ただ、繰り返していく中で少しずつ顔が上がり

相手の立ち位置や重心を見ながらプレーできるようになってきました。


相手が右を切れば左へ。

左を警戒すれば右へ。


自分が先に答えを決めるのではなく

相手を見てその逆を選択する。


この「相手によって答えを変える」という感覚が出てきたことで

無理にスピードを上げたり

身体をぶつけたりしなくても前進できる場面が増えていきました。


特に柊や翔也は

決して身体が大きい選手ではありませんが

しっかりと相手を観察し

フェイントを効果的に使いながら

自分より体格のある選手にもほとんど触れられることなくプレーできていました。

これは、今日のテーマを非常によく表していたと思います。


フィジカルで勝てないのであれば

フィジカル勝負をしなければいい。


相手より速く走れないのであれば

相手より早く見て

早く判断すればいい。


育成年代では

身体の大きさやスピードの差が

そのままプレーの結果に表れることがあります。


身体が大きい選手がボールを奪える。

足の速い選手が相手を置き去りにできる。

力のある選手が強引に突破できる。


もちろん、それもその選手が持っている素晴らしい武器です。

ただ、身体能力だけで解決できている間は

「なぜ上手くいったのか」を考えなくてもプレーが成立してしまうことがあります。


逆に、身体が小さい選手やスピードで上回れない選手は

どうすれば相手に触れられないのか

どこに立てば前を向けるのか

いつ動けば時間を作れるのかを考えなければいけません。


だからこそ、身体的な不利があることが

必ずしも育成年代における不利だけになるとは限りません。


考えるきっかけにもなるし

相手を見る習慣にもなる。


ポジショニングを工夫するようになり

ボールを受ける前から勝負できる選手へと成長していくこともできます。


大切なのは、自分にないものを嘆くことではなく

「自分が持っているもので、どう勝つか」を見つけることです。


サッカーには身体の大きさだけでは解決できない場面がたくさんあります。


見ること。

予測すること。

相手を動かすこと。

そして、相手が動いた瞬間に逆を取ること。


こうした一つひとつの積み重ねによって

身体能力の差をプレーの質で埋めることができます。


育成年代で身につけてほしいのは

単に「目の前の相手に勝つ方法」だけではないと思っています。


自分にはどんな特徴があって

何を武器にして

どうすれば自分より能力の高い相手と戦えるのか。


その答えを

自分自身で探せる選手になってほしい。


今日できたかどうかだけではなく

これから身体が成長し

カテゴリーが上がり

さらに速く、強く、上手い選手と対峙した時にも通用するものを身につけていく。


「相手に触れられる前に、優位な状況を作っておく。」


これはドリブルだけの話ではありません。


パスを受けることも

ボールを奪うことも

ゴールを決めることも

その前にどれだけ良い準備ができているかで

プレーの難易度は大きく変わります。


上手い選手ほど

難しい状況を高い技術で解決しているように見えます。


でも実際には

その一つ前の段階で

難しい状況そのものを作らないための準備をしています。


どこを見るのか。

いつ動くのか。

相手をどう動かすのか。


ボールに触れていない時間にも

すでに勝負は始まっています。


技術を身につけることはもちろん大切です。


ただ、その技術を「いつ、どこで、なぜ使うのか」まで理解できて

初めて試合の中で使える技術になります。


技術だけではなく

サッカーの見方そのものを育てていく。

Grifo Labでは、そこまでをトレーニングしていきたいと思います。




Grifo Lab

河井

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